木春菊偕老同穴14

王妃様お目通りが叶い恐悦至極に

存じ上げ奉ります。

して、なにようじゃ?

回廊では無礼にあたるかと

一段降り頭を垂れるボギョンとボンニョ

王妃様。私どもキム家では、王様

王妃様の御為、日お役目に邁進して

おります。王様より賜りし

従二品の官位は、伊達ではございませぬ

貧しい者には分け与え、慎ましく

生きております。されど孫娘とチェ家の

縁談話に始まり、先日の尚宮の

無礼な言いぐさといい、目に余るものが

ございます。つきましては

尚宮の職を解いて頂き、隠居を

お申し付け下さいますようお願い

申し上げます

お祖母様、ボンニョはぶたれました

お〜そうであったの痛かったで

あろう王妃様見てやって下さいませ

頬が赤く腫れております。このような

乱暴な女人が、大護軍の奥方では

国が揺らぎます。どうか離縁を

お申し付け下さいますようお願い

申し上げます

離縁と言う言葉に、ウンスの肩が

ぴくんとあがる。

心配そうに、隣に立つヨンを見つめる

しかしヨンの肩は怒りに震えていた

鬼剣を持つ手ががちゃがちゃなる。

ヨン落ち着いて

ウンスは震えるその手を優しく包む

私達が離れるなんてあり得ない

そうでしょう?例え王命が出ようが

三人は、いつも一緒よだから

落ち着いて

王妃様。暫し席を外しても?

構わぬ

ヨンは、ウンスの手を引き空き部屋へと

入る。テマンの腕の中でソマンが

泣きもせずじっと見つめていた。

ウンスが止めねば、どうなって

いたかも分からぬ怒りで理性が

飛んでいたすまぬ

ううんかえって嬉しいわ

私とソマンを思うからこその怒り

でしょうふふふ

ウンスは、首を左右に振りヨンに向き合う

この方には俺は生涯叶わぬのであろう

怒りで燻る胸のうちも、静めてくれる

誠に天女俺だけの天女誰にも

渡さぬ

ウンス

ふんにゃ

ヨンが口付けを交わそうと、一歩

踏み込んだとたんソマンの元気な

泣き声が、空き部屋まで響いてくる。

あ!ヨン変なこと思ったでしょう

ウンスは誰にも渡さぬとか

あ〜あだからソマンが怒ったのよ

気付いておったか?

当たり前じゃないこれでも母親よ

ほらほらどうしたお婆さまですよ

大人しゅうしておったと思えば

急に泣き出すまったくあやつら

お婆さまが、と〜んと叱ってやるうえ

泣くでない

テマンの手から、チェ尚宮がソマンを

受け取り、目尻を下げつつ

一心不乱にあやしていた

見かねた王妃様が声を掛ける

チェ尚宮ややをこちらへ

は、はい

叔母が、むずかるソマンを恐縮しつつ

王妃様の腕に抱かせると

きゃっきゃっと笑い声だし

揺れる頭を必死に持ち上げ

王妃様の頬に触れようと腕を

懸命に上げる。

これソマン

その声にぴくっと肩を竦め

口をへの字に結び大きい眼に

溢れんばかりの涙をため

チェ尚宮をぎろりと睨む。

よい叱るでないややが

睨んでおるようじゃ

ばたばたとうるさい足音と共に

ウンスが戻ってくる。その後ろを

大股でヨンが照れたように

後頭部を掻きながら追い付く

すみません。王妃様

よいのじゃ。義姉様ソマンの

乳の匂いが堪らなく愛しい

そ、そうですか

乳の匂いがすると言われ、照れた

素振りのウンス頬を染め

ソマンと王妃様を見つめる

ソマン今宵は妾と眠るか?

ふんにゃ

そうか、そうか母がよいか

寂しいのぉ妾は母じゃの妹ぞ

ソマンの叔母になるが、それでも

いかぬか

そう口に出され王妃様は

ソマンをウンスの腕に

そっと抱かせると

ボギョンとボンニョに、目を向けられる

話をもどすが。その方確か

良民の出であったのぉ

は、はい

先のキム家の奥方が亡くなられ

後妻入ったはず

ボギョンは、悔しそうに唇を噛みしめ

王妃様の話を聴き言葉を繋ぐ

は、はいされど

黙りなさいチェ尚宮はれっきとした

チェ家の嫡女。どちらの身分が格上か

自ずと明白であると言うもの!

違うかのぉ

さすれば、孫娘がぶたれた件は

どうなります?この子は紛れもなく

キム家の血筋!どこぞの奥方より

身分は上にございます

今のチェ家嫡子との話を聴いては

おらなんだか?妾と義姉様は

固い絆で結ばれておる。それは如何なる

ことが起ころうが、揺るぎないもの

ですが!

黙まらっしゃい!妾は国母であるぞ

王妃様はぴしゃりとその言葉を

はね除けた。

国母に楯突く輩の末路は明白である

よくて身分剥奪事によっては

流刑。若しくは一族もろとも都追放

流石にそれは避けねばならぬと

ボギョンは、今は堪えどきとばかり

ぐっと言葉を飲み込み、王妃様に一礼

するとその場をあとにする。

王妃様私事で、お手を煩わせ

誠に申し訳ございませぬ。

如何なる罰も受ける覚悟はできて

おりますれば

チェ尚宮?そなた何か粗相を

仕出かしたかのぉ

王妃様のおそば近くに、いつも

寄り添うチェ尚宮

最早なくてはならない存在である。

王妃様は、悪戯な笑みをお浮かべになり

ふふっっと声が漏れる。

その様子を、回廊の支柱の後ろに

身を潜め覗き見ている人影

のぉ〜ドチ余の出る幕はなかったの

ちと退け者になった心持ちじゃが

おなご同士の揉めごと故、王妃に任せ

無事乗り切った名裁きであったぞ

王妃戻ろうかのぉ

はい王様

王様は笑みを浮かべ、その場を

そっとあとにするのであった。

ポチっとして下されば嬉しいです

にほんブログ村

広告を非表示にする